横浜スタジアムのある横浜公園の海側には古い趣のあるビルが建ち並んでいますが、そのうちの旧関東財務局の入っていたビルは、私が横浜に越して来た時には既に閉鎖されていましたが、かつては横浜市がアーティスト・クリエーター向けのオフィスとして貸していたり、横浜トリエンナーレの拠点になったりしていたところで、いつも通りかかる度に閉ざされた扉の奥がどんな空間なのか見てみたくて、うずうずしていました。

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一旦閉鎖したうえで、横浜市による活用事業者の公募があったり、耐震改修工事が行なわれたりで随分時間がかかっていましたがついに先日オープンしたようです。

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なんと活用事業者はベイスターズ!
ベイスターズのHPより

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スタジアムの1階路面にあったベイスターズのオリジナルブランド”+B”のお店が移動してきました。服やキャップの他、雑貨なども洒落ていてセンスの良い品揃えです。

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以前からスタジアム路面の珈琲スタンドでは本格的な珈琲をいただけて、席のあるカフェだったら良いのになと思っていたので、ここは楽しみです。雰囲気もいい。今日は時間がないので眺めるだけ…

ベイスターズが考える野球を通じた「まちづくり」活動が歴史的建造物の活用に繋がるとは想像もしませんでした。古い建物を残して維持管理をするのは費用も労力もかかるので、民間ではなかなか難しいことですが、かといって行政が所有していても魅力的な地域に愛される活用方法を提示できるかというとそれも難しい。このビルの場合は横浜市が所有してベイスターズが活用する素晴らしい組み合わせです。こんな事例が広まって、歴史的建造物が簡単に解体されてしまうようなことが1件でも減るといいなと思います。

野球の応援には行っていないけど、すっかりベイスターズファンになってしまいました。

佐藤千恵/後藤武建築設計事務所