昔からとにかく猫が好きで、なんでこんなに可愛いんだろうと、感情が溢れすぎて猫を顔から丸かじりしようとしたこともある程猫が好きなのですが、今の仕事や出張で家に不在がちな生活では飼ったとしてもその猫を幸せにできないんじゃないかと心配で、ずっと飼うのをためらっていました。
ところが、です。
友人の知り合い宅で、野良の母猫が仔猫3匹を連れて住み着いてしまって困るので保護して保健所に連れていくと聞いた友人が(彼女も愛猫家)
「千恵ちゃんなんとか飼えませんか?」と、ある朝のLINEメール。
ついにこの日が来た!一瞬、深呼吸をして、生き物の命を預かる覚悟を決めて即OKのお返事。
その3日後に我が家へやって来ることになりました。
仔猫にしてみれば、いきなり誘拐されて母親と離れ離れになったようなものだから、猫の扱いに慣れた友人すら手を焼くほど人間に怒りをぶつけていていたらしく、こちらとしては仔猫にも友人にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でもこれで、過酷な屋外生活で命を落とす猫さんが少しでも減るならば嬉しい事です。
一緒にいたもう1匹の兄妹と母猫も無事に保護され保護団体に引き取られたそう。よかったよかった。
いざ我が家に着いても、ご飯は食べないし近づいても逃げられるしで、幸せに過ごしてもらえるか心配が尽きません。
家の中で落ち着いて過ごせる場所を作ろうと、G藤が北欧のリトアニアでハンドメイドして販売されているkivikisというキャットハウスを買ってくれました。私の田舎では藁で編んだキャットハウス”猫ちぐら”がとても人気で制作が間に合わないと聞きました。こちらは天然ウールのフエルトでできているそうです。
届いたkivikisを仔猫の前に置いてみると、なんとなんと自分から中に潜り込んで、そしてすぐに今まで伸ばして休んでいるのを見せたことのない手足を解放して横になりました。天然ウールの香りが猫を癒してくれたのでしょうか。表情もなんとも言えずくつろいだ柔らかい顔つきになりました。自分の大きさにフィットする空間というのは、人間も猫も心を落ち着かせる大切な場なんですね。
この日を境にオープンハートとなったようで、約2週間経った今は一緒のベッドで眠るようになりました。
ご飯もたくさん食べてすくすく成長しています。
佐藤千恵/後藤武建築設計事務所