アテネの朝。屋根の上でひなたぼっこをするねこ2匹。
旅はトルコ・ギリシャの次は南イタリアへと地中海に面して西へ西へと移動していきました。
ナポリから車で2時間程南下したパエストゥムという街には古代ギリシャ時代の神殿が素晴らしい保存状態で残っています。アテネではたくさん神殿の柱や梁の残骸だけを見てもイメージできなかった構造物の構成が、ここに来て少しずつ理解出来るようになってきました。
それにしても、ここはギリシャやトルコに比べたら随分と閑散とした地です。
（夏は海水浴客で賑やかになるそうですが）人がいないと猫もいません….
やっと1匹、遺跡の脇から現われたぶちねこちゃん。狩りの真っ最中でイモリをつかまえてペロリと平らげました。
次の日はソレントからフェリーに乗ってカプリ島へ。近代の名建築で断崖絶壁に建つ家”マラパルテ邸”を探すのが最大の目的です。詳しい場所がわからないので意を決して島の外周をトレッキングしながら探す事にしました。
ジョギングシューズとウィンドブレーカーで超軽装、お財布と携帯だけポケットに詰めて手ぶらの旅なんて初めてでワクワクしました。海の色も山の緑もレモンの果実も皆とても色鮮やかで気持ちよい散歩日和でした。
カプリ島にはどの家の庭にもレモンが生っていて、日差しも暖かくて楽園のようです。
日だまりに眠る猫発見。レモンの木が生垣になっている隙間から覗き見です。
この後はどんどん険しい道を分け入ります。森を抜け
海が見えた！青い！綺麗！と思っていると
洞窟に遭遇したりして、探検気分満点です。
猫のかわりに他の生き物といろいろ遭遇しました。色鮮やかな緑のイモリ。ここだけに住む真っ青なイモリもいるのだそうです。
そしてついにマラパルテ邸発見！感激し過ぎて写真をほとんど撮り忘れていました。
断崖絶壁どころではなく、家は海の中の岩の上に乗っかっていました。
道は幅5-60cmの山道しかなくて、オーナーは舟で行き来するようです。
私の立っている位置でも波の音とかもめの声しか聞こえません。きっとあの家では波の音がもっと増幅して聞こえるのでしょう。
孤立して、絶対に不便で孤独な場所ですが、それも含めて贅沢だなぁ。素敵だなぁ。
さてねこ歩きのラストは突然訪れました。
なぜならこの後、ローマまで北上しそれからイギリスに向かいましたが、旅先で猫をみかけたのはカプリ島のこの日が最後だったのです。ローマは観光客が多すぎて猫が逃げちゃったのでしょう。イギリスは犬派の方が多いようでした。寂しいけれどその分見るもの訪れた場所に集中して旅ができたことも事実。
ねこが好きすぎるのも困り者です(^^)
佐藤千恵／後藤武建築設計事務所
