建て主さんのご要望の中に「書斎がほしい。」「部屋でなくても、廊下でも階段でもよいからデスクがほしい」というご主人のものと、「小さくてもよいからデスクがほしい」「キッチンのあたりでみえにくくして」「子供たちの学校のプリントやレシピのためのノートパソコンをおくため」という奥様のご要望がよくあります。

私は、子供の勉強机以外に、夫婦それぞれのためのデスクはあった方がよいと考えています。

「仕事の続きをするため」とか「子育て関係の書き物をするため」ではなくて、純粋に各自の趣味のため、読書でも手芸でもネットで映画を見るためでも、家族の中の役割から離れた自分をとりもどすためのちょっとした場所としてデスクはあると、気持ちに余裕、家の中での居場所ができ、自身がもてるように思います。

そうはいっても都内で住宅を建てようとするとそもそも敷地が小さいことが多く、なかなかスペースをとるのが難しい。そこで、まずは、リビングや明るい廊下などに家族がみんなで使える大きなデスクを提案しています。

リビングの左壁にある大きなデスク

リビングの左壁にある大きなデスク

棚の上に板を置いただけの簡単なつくりなので、将来それぞれ別の場所にももっていけます。

棚の上に板を置いただけの簡単なつくりなので、将来それぞれ別の場所にももっていけます。

この家は竣工したとき小さかったお子さんが成長し、ただ今子供部屋のリノベーションの設計をしています。デスクはまだ使っていますが、成長とともに親から離れていきます。すると今度はこのデスクをご夫婦で使っていくことになるのだろうなと思います。

こちらは階段横の明るい廊下にデスクがあります。部屋の中にできなくても意外と落ち着きます。

階段横、窓に面した明るい廊下にあるデスク

階段横、窓に面した明るい廊下にあるデスク

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こちらはキッチンから見える階段の横につくった小さなデスク。

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ちょっとしたスペースがあればデスクはつくれます。家族の成長や変化にあわせていろいろな使われ方ができます。

宮本恵美子/光風舎一級建築士事務所